そばの味を左右する石臼についてのメモ

石臼は研究すればするほど疑問が湧いてきます。少しずつ解明できました。

以下のメモは、蕎楽が数々の実験によって得たことを、メモとして編集しています。著書を参考にしたり、他人の意 見を掲載したりしていません。もしかすると間違っている部分もあると思いますが、これから石臼の研究をする方の参考になれば幸いです。皆様の実験の結果、 私のメモと違う点はご意見をお寄せください。
蕎楽   店主 中久喜正宏

そば用石臼の基本

日本のおおよその石臼の目の溝には、主溝と副溝があります。臼の目は蕎麦の実やそば粉を外側への送り出し機構です。
一般的に反時計方向に上臼を回します。臼の目のパターンは6分画や8分画が多く見受けられます。

私が最初に購入した石臼は、下臼の部分は中心部分が盛り上がって凸形になって、上臼は中心部が凹形になっていました。
上臼と下臼を重ね合わせると、外周で密着し中心部へ向かって上臼と下臼の隙間(この隙間のことをフクミといいます)があります。蕎麦の実の投入口(ものくばり)のところで蕎麦の実くらいの隙間があります。

 

現在は石の材質や目立ての方法を改良し、蕎楽独自の石臼に変えて使用しています。

臼の回転数は1分間に10~20回転でゆっくりとしたスピードで製粉します。

石臼の目立てとそばの味について

私は石臼の目立ての違いでそばの味との関わり合いを実験しました。
石臼の目のパターン、溝の広さ、深さ、形状、石面のざらつき等で粉の質が変わってきます。
茹で上がったそばを食べたときにハッキリと味,食感,香りが違います。
石臼の目のパターンや目立ての方法によって、味に違いがでてくるのが、少しづつ解りかけてきました。

その違いを文書で書けるようになたら、このページに載せたいと思います。

下臼の面が凸面になっているのは意味が無い

いろいろな石臼を目立てしましたが、ほとんどの石臼は下臼の面が凸面になって傾斜をつけています。
私が製作している石臼は下臼は完全な平面にしあります。下臼を平面にしたほうが上臼とのバランスをとりやすいからです。

豆腐用の石臼をつくるときは、水に浸した大豆をすり潰すので、傾斜をつけないと水分が臼に溜まってしまい支障をきたしますので傾斜をつけますが、そば粉は傾斜をつけなくても外へ排出されます。

石臼の材質について

石臼は花崗岩(御影石)や安山岩が一般に使われています。
そば粉を碾く石の条件は、硬くて、摩擦係数の大きく、粘りがあれば最高だと思います。
でも、その条件に合う石材は探しあてるのが難しいと思います。
色々な石材で石臼を作って試してみましたが、安山岩(澄川石)で上記の条件に合う石に出合いました。
平成15年から蕎楽はその石臼を愛用しています。


平成20年から上記の澄川石とは違う石を見つけました。羽黒青糠目石という名の石です。この石は花崗岩(御影石)でありながら、安山岩の性質に近い性質をもっています。現在は澄川石と羽黒青糠目石を主に採用しています。詳細は別項で説明します。


最初の石臼は、目立てをすれば良質の粉は碾けたのですが、目立ての良い状態が長続きせず小まめに目立てを繰り返していました。現在使用している石臼は、良い状態が長続きします。

最近まで硬い材質の石は、石臼を作る職人さんから敬遠されていました。石工道具の発達と共に硬い石を加工しやすくなりました。今後は硬くて、摩擦係数が大きく、粘りのある材質の石臼が多く出回ると思います。

石臼は精密機器です。良い石臼を作るには、最良の環境の下で・・・

 石臼研究所の工房をのぞいてください


 石臼の修理、目立て等も蕎楽におまかせ下さい。出張もいたします。