旨いそばを求めて・・・・

平成9年(1997年)の夏にそば屋を開業。そば業界の事は全く解らず、町の小さな電気店からの転業でした。


開業当時は本格的な石臼自家製粉の店はごく少数でした。
私の考える本格的な石臼碾き自家製粉とは、そばの生産者(農家、農協など)から玄そばを仕入れ、そのそばの実を綺麗に磨いてから殻をむいて石臼で粉を碾きます。
実際にこの工程をやってみると大変な時間と労力と場所や機械類が必要になります。

一般的に石臼碾き自家製粉と言われているお店は、石臼だけを導入して、業者から殻をむいたそばの実(丸ヌキ)を仕入れて石臼で製粉しています。
「本格的な石臼碾き自家製粉」は、「丸ヌキを購入しての石臼碾き自家製粉」に比べて違いは何かというと、
①素材の新鮮さが違います、
②原料の素性がわかります(生産者の顔や畑などが目にうかびます)、
③自分の思い通りの量の丸ヌキが作れます、
④良い原料が入手しやすい。 その他いろいろなメリットがあります。

石臼が現在のように普及する前は、そばの実(そばの実(丸ヌキ))を取り扱っている業者さんが極端に少なかったのです。

現在は、多くの製粉会社さんが、質の良い丸ヌキを販売するようになりました。
石臼碾き自家製粉の店の蕎麦屋の味は、年々美味しくなり蕎麦の味の差は縮まっていることも事実です。


 

石臼にのめり込む

私は前職の関係上、開店後間もなく製粉用の機械に興味を持ち、自分の使いやすいように機械を改良して効率よく使用していました。

一番興味を持ったのは石臼です。
ほんの少し目立てし直しをしただけでもそばの味がガラッと変わってしまいます。
これには驚きました。 目立てのやり方によって、そばが旨くなったり不味くなったり、ひどい時には店を開けない日が何回もありました。
何回も目立てを繰り返すうちに、すっかり石臼の虜になってしまいました。

平成16年(2004年)の夏、ついに電動石臼を製作し完成させてしまいました。
この1号機は完成を待ち望んでいた東京都青梅市の榎戸さんというお蕎麦屋さんに完成と同時に納品させていただきました。

石の材質

石臼で一番大事なものは石そのものです。 どんなに良い目立てをしても石が悪ければ質の良い粉は碾けません。

今までに何度も何度も目立てを繰り返し、自分の気に入った粉が碾けても、良い期間は長持ちせず一週間しか持ちませんでした。
私の目立てた石臼は鋭いエッジが立っています。

石自体に含まれている刃物のような成分(例えば石英や雲母など)が規則正しく配分された硬めの安山岩が、そばに対して極力ストレスを与えないでやさしく碾けるので、私は好んでそういう石を使っています。
私が理想としている石は、硬くて粘りがあってしかも摩擦係数の高いものです。でも三拍子そろった石はなかなか見つかりません。
平成20年から新しい石材を、蕎楽の石臼のに加えました。羽黒青糠目石という名の石材です。

従来の石臼は、少しやわらかめの安山岩を使っているのが多く見受けられます。

昔は石臼の道具はタガネを使用していました。硬い石では刃物の先が直ぐに丸まってしまい使い物にならないので、少し気泡の入った少し軟らかめの安山岩を使用していました。
この石の特徴は石が磨り減ってもツルツルにならず、目立てした時と同じような(厳密には違いがあります)ザラザラがあり、手碾き用として使用するには手ごろな石臼だと思います。


 


目立てとフクミ

石臼で二番目に大事なものは目立てです。 よく使う道具はタタキ(両刃とも言う)とビシャンディスクグラインダーがあれば、大抵の石臼は目立てができます。

しかし石臼の微調整となると勘を頼りにするしかなく、思うような粉がなかなか碾けません。笹目を立てても、決して良い粉が挽けるとは限らないです。

そこで蕎楽では石臼研磨機というものを発案し、私の同級生の機械屋さんに設計していただき、研磨機を製作していただきました。
この研磨機というものは、石臼の同心円上の高さを一定(石臼製作の基本)にするもので、なかなかの優れものです。
少しずつ進歩します
平成17(2005年)年9月、私が尊敬するそば店主の一人、東京都八王子市の車家さんへ電動石臼を納品させていただきました。

お蔭様で全国の熱心な蕎麦店様から、お問い合わせやご注文いただけるようになりました。

そばは、粉と水を混ぜ合わせ麺状にする単純なことです。
単純さ故一つ一つの工程の僅かな違いが味を大きく左右します。
毎朝思います。「昨日より美味しいをばを打つぞ・・・・」 旨いそばを求めて・・・・

石臼はお客様のご要望に応じて目立ていたします

石臼の修理、目立て等もおまかせ下さい。出張もいたします。